今日は4月19日が誕生日のダフニ・デュ・モーリアについて書かせていただきます。
ダフニ・デュ・モーリア(Daphne du Maurier)は1907年4月19日生まれのイギリス出身の作家です。その作品の多くがサスペンスやゴシックの要素を持っています。
彼女はロンドンの裕福な家庭に生まれ、父親は俳優であり、母親は舞台女優でした。祖父は風刺漫画化、姉は作家、妹は画家という芸術一家で育ち、幼い頃から物語への関心が深かったのではと想像されます。
彼女は『レベッカ』や『ジャマイカ・イン』といった長編小説で成功をおさめましたが、その中でも特に注目される短編小説が『鳥』です。1952年に発表されたこの物語は、一見穏やかなイギリスの海辺の村が、突然鳥たちの襲撃を受けるという異様な展開を描いています。自然が人間に牙をむく恐怖を緻密に描写し、読者に強烈な印象を与えました。
この物語は、1963年に映画監督アルフレッド・ヒッチコックによって映画化され、彼女の名をさらに世界に知らしめました。私が彼女を知るきっかけも、実はこの映画でした。映画版は物語の舞台や登場人物が大きく変更されていますが、鳥が人間を襲うという核心部分は共通しており、映像表現が恐怖感をより際立たせました。
『鳥』は、人間が自然に対して無力であることや、秩序が崩れる瞬間の恐怖を鮮やかに浮き彫りにします。ダフニ・デュ・モーリアは日常の中に潜む不安を見事に表現し、その独特な世界観は今なお多くの読者を惹きつけています。